絹のはしご 音楽稽古

はい〜。暑いですね〜。

昨日は「コジ・ファン・トゥッテ」の音楽稽古。
今日は「絹のはしご」の音楽稽古でした。

2日連続でオペラ・ブッファに浸って、
カヴァレリアの脳みそがあっという間にレチタティーヴォモードになりました。

レチタティーヴォの曲をやり続けると、
夢の中でイタリア語でしゃべってたりするんですよね・・・。
ま、何を喋ってるか覚えてはいないんですけどね・・・。
だから通じるような言葉を話してるとは思えないですけど・・・。

「絹のはしご」はロッシーニの若かりし頃の作品。
モーツァルトの成熟された頃の作品である「コジ・ファン・トゥッテ」と比べると、
なんとなくレチタティーヴォのイタリア語とメロディがピタッと来ないな〜と言う感じがしますが、
それは、僕がイタリア語にまだ精通し切れてないということ・・・。

でも、音楽の中にはまさにロッシーニと思わせるものが山盛りです。

まだまだどんな完成形が待ってるかわかりませんが、
おたのしみに!!

写真は僕越しの、頑張ってる針生さん!

透き通るようなええ〜声や〜。

グリゼリディス受賞!おめでとう!

どーも。夜は夜で暑いですな〜。

さて、昨年10月に上演した「グリゼリディス」というオペラがありました。
ま、ね。ブログ色々あってサボってた時期なんですけど・・・。
だから、多分ほとんどの人が知らないかもしれませんが。。。

その「グリゼリディス」が第14回三菱東京UFJ信託音楽賞 奨励賞に選ばれました。

やっふー!!

東京オペラプロデュース主催の日本初演のオペラでした!
そして、僕がオペラプロデュースに初めて参加させていただいた作品でもあります。

どんなオペラか・・というと・・・。

猫・・・?

こんな感じ。
人生初めての猫耳です。
そりゃ受賞しますよ。僕が猫耳つけたんですから(笑)うそですけど。
そして、目が赤! 酔っ払い!違う!死神の目!
そりゃ受賞しますよ。ノートに名前書いちゃいますよ!(笑)うそですけど。

一緒に写ってる羽山弘子さん。勉強させていただきました。
よく見るとまつ毛が・・・。

以来三度連続で乗せてもらいまして、
「ベルファゴール」タイトルロール、「ラインの妖精」ゴットフリート役と、
相当なオペラファンでも聞いたことのないような(笑)日本初演携わって来ました。

日本初演のこそ、力入れて考察し、皆さんに知ってもらいたいなとも思います。
特に、こうやって受賞すると、
より現金な気持ちになります(笑)。

ということで、とにかく今日は祝杯を!

カヴァレリア完走!

カヴァレリア・ルスティカーナ。終幕しました!!

実はまだ、道化師やってるんですけど。
こっちは美酒に酔いしれ・・・嘘です。

ご来場くださった皆様!
ありがとうございます!

日本語公演という特殊な中で、
南イタリアの風を始終感じていられる舞台でした。
それはもちろんマエストロ佐藤さんと、演出家岩田さんのお力です。
いろんなサジェストの中で、
自分がアルフィオという人生を歩いて来たということに徹し切れたのが、
何よりも大きな収穫でした。

おかげで衣装きたらずっと鏡見ていました(笑)

鏡を見てアルフィオに成りきった時の顔!

共演者も冷静と情熱の間を上手に走りきり、
見事!と言わざるを得ません!

さて、今回のカヴァレリアに関して、いろんなネタバレ的な考察を書いてきましたが、
いかがだったでしょうか?
僕ら舞台側の思惑を少しでも感じ取ってくれていたら嬉しいな。

とりあえず、一区切り。今日は飲みます!

暑い夏のカヴァレリア

今日も暑いですねー。
最近の舞台は、結構神事をやることが多くなりました。
去年の杉並オペラも怪我人続出だったのでやりましたが、
今年もやるようです。

神主さんの唱える詔の中にオペラの名前が出てくると、
なんだかわかんないけど、異世界な感じがします。

今日はGP。
正直一週間くらいぽかっと空いていて、
その間に、ロッシーニの「絹のはしご」の音楽稽古や、
モーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」のコレペティ稽古やったりで、
コメディー路線の感覚だったんですけど、
昨日の場当たりで、少しリハビリ(笑)できました。

明日見にくるお客様のために少しヒントを。
今回のカヴァレリアの最大のコンセプトは

「母」

母性からのアプローチがベースにあります。

パスクア(キリストの復活祭)は今では、
Natal con i tuoi,Pasqua con chi vuoi.
(クリスマスは両親と、パスクアは好きな人と)
と言われていますが、
当時のイタリア南部のカトリックでは、パスクアも出稼ぎに出て行った子供が、
実家に帰って来て家族で過ごすわけです。
盆と正月みたいなもんですね。
なので、その輸送に活躍するのも当然、馬車屋なんです。

そして、カトリックの特に南部では、
聖母マリア信仰がとても強いんです。

そして、トゥリッドゥの母であるマンマ・ルチアは、
町の教会の広場で酒場を経営してますから、
町のお母さん的存在です。

そして、サントゥッツァとローラにもきちんと母性としての役割が割り当てられています。

そんなあたりも少しみてくだされば舞台の色が変わるかもしれませんね。

明日は夕方レシピ・アンの第2回の放送もあります!

今日は肉だな!

馬車屋は走る!

今日は場当たり稽古。

とうとう舞台に乗りましたね。
家を作る人々は棟上式を迎えるといよいよ!と思うらしいですが、
僕らには多分この舞台に稽古初日がある意味それに近いですかね。

プロダクションによりますが、
いろんな稽古場を渡り歩いて、狭かったり暗かったりの空間を
舞台に見立てて歌い演じていたのが、
舞台に来て初めて、必要な空間に立てるわけです。

今まで椅子だった置物が本物のセットに変わる。

そして、ここに照明がついて、最後の景色が出来上がるわけです。

ん〜楽しみ!

総合芸術と言われるオペラですが、
400年前の最先端技術の塊ですからね。

道具や装置は変わってもその精神の根本は変わってません。

いい舞台を魅せるために!

あと2日!楽しみますね!

アルフィオの考察

今日はオケ付き通し稽古でした。

小学校の体育館を借りて、灼熱の中、熱演!
携帯までが熱を持って、撮影出来ませんでした。

さて、アルフィオという男。
よく、マフィアの前身だ。なんて言われるんですけど、
どういうことなんでしょうか。

アルフィオの職業は馬車屋です。
馬車ってのは19世紀後半のシチリアでは、最大の移動手段です。
もちろん車もある時代なんですけど、
ものすごい悪路だったはずなんです。

現在のイタリアだって悪路なんですから(笑)。

なので、その町の馬車の全てを掌握しているということは。
流通・貿易を牛耳っているんですよね。
その町の特産となるワインやオリーブなどその値段なども、
結局は馬車屋の流通コストによって左右されるわけです。

そして、その流通の先で必ず親密になるのが軍や警察など。
当時はまだ城壁・城門がしっかりしていたはずです。
そこの衛兵や関所を守る兵隊たちと当然仲良くならないと流通はままならないからです。
そうなると地元では手に入らないものや、都会からくる最先端技術だけではなく、
武器が手に入るようになるんですよね。

また、人脈も広がって行くので、弁護士や医者などはもちろんですが、
当時工業化が進んできた北部と違い、南部は農村ばかりでした。
だから工業化のための人夫や娼婦など下層階級までを流通の中で扱うことになるんです。

これだけならまだ、大店の若旦那くらいなんでしょうけど、
そこにシチリア人の気質が入ってくるんですね。

カヴァレリア・ルスティカーナというのは「田舎者の騎士道」という意味ですが、
もっと意訳すると、今回の杉オペの演出家の芯である、「田舎者の見栄」となります。

アルフィオにとっての騎士道は、自分の沽券・プライドです。
これを傷つけられたら全てを壊すほどの力を発揮する。
すでに、この町の実力者となり、田舎以外の世界の広さを知ってしまった男に、
兵役だとしても外の世界を知って帰ってきた男には、何か近しいものを感じていたかもしれません。

しかし、トゥリッドゥからしてみれば、外の世界を知ってしまっている分、
田舎の生活に絶望し、外の世界との繋がりがある男には嫉妬してしまうのは仕方がないことなんでしょう。

ローラはトゥリッドゥの元彼女だとしても、今はアルフィオのもの。
それに手を出したのはそれ以上の思いがあったはず。
一度はサントゥッツァに心を動かしたとしても、やはり閉鎖された田舎の中に生きた女性と、
外の世界と繋がりがある女性とでは、心が揺り動かされるのもなんとなく、わかる気がします。

アルフィオの傷ついたプライドはトゥリッドゥを亡き者にしただけでは治らないでしょう。
オペラとしてはトゥリッドゥが殺されたところで終わりますが、
サントゥッツァとマンマルチアの最後の叫びのあと、
その町が、そこの人々がどうなって行くかの。
それこそがこのオペラがヴェリズモオペラと言われる所以です。